Fire OSアップデートによるアプリの削除

Amazon Fireタブレットでは、これまでもユーザーが Amazonアプリストア以外から導入したアプリが強制的にアンインストールされることがありましたが、2026年10月15日に配信された Fire OSのアップデートでは、これまでの使用経験では見られなかった規模のアンインストールが発生しました。

アップデートで削除されたアプリ

アップデートの適用後、ホームアプリとして使用していた Lawnchair Legacyを含む9本のアプリが削除されていました。削除されたアプリと残ったアプリには、インストール元やアプリの種類に共通点が見られません。

ホームアプリの変更には Launcher Hijackを使用しており、Google Playストアと Aurora Storeを導入した状態で使用していました。

確認環境

項目

内容

モデル

KFTUWI

Fire OS

Fire OS 8.3.3.8(RS8338/3344)

ベースの Android

Android 11(API 30)

ビルド日

2026年8月25日

セキュリティパッチ

2025年9月1日

Fire OS 8.3.3.8は 2025年12月の時点ですでに配信されており、Fire OS 8.3.3.8への更新後にアプリが削除されたという報告が Amazonの公式フォーラムに投稿されています。今回の端末の Fire OS 8.3.3.8はビルド日が 2026年8月25日のため、同じバージョン番号のまま、ビルドの異なるアップデートが配信されたと考えられます。

fire os update app removal 001

Fireタブレットの[システムアップデート]画面では、Fire OS 8.3.3.8のインストール日時が 2026年10月15日22時50分と表示されています。

削除の状況を ADBで確認したところ、端末に記録されている直前の起動理由には、[reboot,ota]とタイムスタンプが残っていました。タイムスタンプを日本時間に変換すると 2026年10月15日22時48分で、[システムアップデート]画面のインストール日時の約2分前にあたります。OTA(無線によるシステムアップデート)の適用で端末が再起動されたことを示す記録です。

削除されたアプリ

削除された9本のアプリと、それぞれのインストール元は次のとおりです。インストール元は、端末に記録されているインストーラーの情報です。

アプリ

パッケージ名

インストール元

Lawnchair Legacy

ch.deletescape.lawnchair.plah

APKファイル

Aurora Store

com.aurora.store

APKファイル

Proton VPN

ch.protonvpn.android

Aurora Store

Claude

com.anthropic.claude

Aurora Store

Raindrop.io

io.raindrop.raindropio

Aurora Store

NHKニュース・防災

nhk.app.nwa

Aurora Store

Jigsaw Puzzles

com.easybrain.jigsaw.puzzles

Google Play

VLC

org.videolan.vlc

記録なし

Microsoft Translator

com.microsoft.translator

記録なし

アプリの種類は、ホームアプリ、アプリストア、VPN、AIアシスタント、ブックマーク管理、ニュース、ゲーム、動画プレーヤー、翻訳と多岐にわたります。

これまでの Fire OSのアップデートでも、ユーザーが独自に導入したアプリが削除されることはありましたが、ホームアプリや VPNアプリまで削除されたことはありませんでした。

削除されなかったアプリ

Amazonはアプリ削除について説明しておらず、削除の対象を選んだ基準もわかっていません。削除されたアプリに共通しているのは、Amazonアプリストア以外から入手したアプリだということです。しかし、次のアプリは削除されずに残っていました。インストール元は、端末に記録されている最後のインストーラーの情報です。

アプリ

インストール元

Google Playストア

Google Play

Google Play開発者サービス

Aurora Store

Googleサービスフレームワーク

APKファイル

Launcher Hijack

APKファイル

Brave

Google Play

Proton Mail

Aurora Store

Proton Pass

Aurora Store

削除されたアプリの再インストール

削除されたアプリは、削除前と同じ方法で再インストールできました。ただし、Aurora Storeや Proton VPNなど、インストール後にデバイスを再起動しないと起動しないアプリもありました。

Amazon Fireタブレットのホームアプリ変更方法
Launcher Hijackは、Fireのデフォルトホームアプリを、デバイスをルート化せずに別のホームアプリに切り替えるためのプログラムです。本稿では、Launcher Hijackのインストールの手順と、オープンソースのアプリストア AuroraStoreの導入について解説します。

今後のアップデートで同じ削除が行われる可能性もあります。サイドロードしたアプリを使用している場合は、APKファイルや設定のバックアップを残しておくと、復旧の手間を減らせます。

ADBでの削除アプリの確認方法

Fire OSのアップデートで削除されたアプリは、PCと Fireタブレットを USBケーブルで接続し、ADB(Android Debug Bridge)を使って確認できます。アプリ本体が削除されていても、データが端末に残っている場合は、削除されたアプリのパッケージ名を一覧で表示できます。

ADBのセットアップ方法
ADBは、パソコンと Androidデバイスを USBケーブルや Wi-Fiで接続し、コマンドラインから操作できる開発者向けツールです。本稿では、 ADBを含む、Android SDK Platform-Toolsのセットアップ方法について解説します。
fire os update app removal 006

Fireタブレットとパソコンを USBケーブルで接続し、USBデバッグを許可します。

fire os update app removal 003

ターミナルを開き、下記のコマンドを入力して[Enterキー]を押します。正常にデバイスを認識している場合は、[List of devices attached]の下にデバイスのシリアル番号が表示されます。

adb devices
fire os update app removal 005

デバイスを認識したら、下記のコマンドを入力して[Enterキー]を押します。[SideIndicator]が[=>]になっている行が、データを残したまま削除されたアプリです。

Compare-Object (adb shell pm list packages) (adb shell pm list packages -u)

表示されるのはアプリ名ではなくパッケージ名です。パッケージ名には、開発元やアプリの名前が含まれていることが多いので、たいていは見ればわかります。
パッケージ名からアプリ名が分からない場合は、[https://play.google.com/store/apps/details?id=パッケージ名]をブラウザで開くと、Google Playのアプリのページが表示されます。

備考

Amazonは 2026年10月8日に、Fireタブレットの後継となる[Alexa Tablet]を発表し、Fireタブレットの新規製造を終了したと説明しています。Alexa Tabletは Fire OSではなく標準の Androidを搭載し、Google Playストアに正式に対応します。ただし、日本での Alexa Tabletの発売は未定と報じられています。

既存の Fireタブレットのサポートは継続するとされていますが、セキュリティアップデートの保証期限は機種によって異なります。
現行モデルの Fire 7/ キッズ(第12世代、2022年モデル)、Fire HD 8/ 8 Plus/ キッズ(第12世代、2024年モデル)、Fire HD 10(第13世代、2023年モデル)については、少なくとも 2029年12月31日までセキュリティアップデートが継続されます。

更新履歴

  • 2026-10-16:初版公開

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