脱Google(De-Google)活動は、利便性と引き換えに利用者の膨大なデータを収集しているGoogleを、日常のインターネット利用から排除しようとする草の根の取り組みです。
脱Google – Googleの利用に関する懸念
Googleは検索、メール、クラウド、スマートフォンOSなど多様なサービスを通じて利用者データを収集しており、その仕組みが行動追跡や広告配信に直結することが、プライバシーを脅かす大きな懸念となっています。
近年、Googleはユーザーの利便性向上を掲げながらも、広告配信や収益モデルの変化によってサービス仕様を大きく変更しており、その結果として利便性やサービス品質に影響が生じているとの指摘があります。
👉️ Googleのプライバシー問題の詳細は下記ページを参照してください。

データ収集の抑制
Googleは収集した個人情報から精緻なプロファイルを作成し、広告配信の最適化に活用しています。位置情報から居住地域、検索・閲覧履歴から興味・関心、アプリ利用や決済情報から生活パターンを推定できる仕組みがあり、広告主は特定の対象に効率的にリーチできます。そのため、個人情報の収集は Googleの中心的な収益源となっており、ユーザーが設定で抑制できる範囲は限定的です。
Googleアカウント設定
GoogleはGDPR(一般データ保護規則)の施行を契機に、ユーザーが自らデータ管理を行えるようアカウント設定を刷新し、「履歴の設定」や「パーソナライズド広告」などの項目を整備しました。これにより、検索や利用履歴、YouTubeやアプリのデータを一定範囲で制御できるようになりました。

編集するのは[履歴の設定]と[パーソナライズド広告]です。
⚠️[タイムライン]は以前[ロケーション履歴]と表示されていた項目で、デフォルト設定で 一時停止になっていますが、[ウェブとアプリのアクティビティ]が有効だと、Googleマップや検索履歴などに位置情報が含まれ、GPS機能をオフにしていてもネットワークの基地局の情報が収集されます。
パーソナライズド広告を無効にすると、Googleアカウントの情報は利用されませんが、ウェブサイト閲覧時に生成される Cookieがユーザーの行動を追跡しているため、ターゲティング広告自体は無効化されません。
ターゲティング広告を無効にする場合は、ブラウザの Cookie削除やプラグインなどでトラッキングをブロックする対策が必要です。
複数アカウントの利用
Googleアカウントは無料で複数作成できるため、用途ごとにアカウントを分けることで、収集されるデータを一部分散できます。さらに、[履歴の設定]や[パーソナライズド広告]といったアカウント設定を併用することで、プライバシー保護の効果を高められます。
アカウントの作成
Googleアカウントは原則無料で作成できますが、短期間に複数のアカウントを作成する場合などには、不正利用防止やスパム対策のため電話番号など追加情報の入力を求められることがあります。
アカウントの切り替え
ChromeやFirefoxではプロファイル機能を利用してアカウントごとに環境を分離できるため、仕事用と個人用を分けるなど、個人情報が混在しないように管理できます。
ブラウザにログインすれば Gmailやその他の Google関連サービスもプロファイルに紐づけられるので、運用に気をつければ比較的実行しやすい方法です。また、モバイル端末でもマルチアカウントをサポートしているため、アプリごとに使用するアカウントを切り替えて利用できます。
Googleは端末識別子やIPアドレスをもとに同一利用者を推定できるため、同じデバイスで複数のアカウントを利用しても分離効果は限定的です。
デバイスごとの分離
本格的に Googleの追跡を避けるには、デバイスごとに別のアカウントを使用し、常時 VPNに接続して IPアドレスをマスク化、さらに Cookieの削除やトラッキングをブロックする拡張機能を導入する必要があります。
ただし、この方法ではクラウドサービスの利点であるデータ同期が大きく損なわれます。
✏️ Gmailを Thunderbirdなどのメールクライアントで受信し、Google連絡先やカレンダーは DAVx5経由で同期、Googleドライブは MultCloudなどのサービスを利用して別のクラウドストレージに同期することで代替は可能ですが、作業や設定が煩雑になります。
Googleサービスからの移行
Googleによる個人情報の収集を効果的に抑制、阻止する最も有効な手段は、Googleへの依存度を減らすことです。
2000年代から2010年代前半にかけて、Googleはユーザビリティを重視した質の高いサービスを提供していました。その後、創設メンバーの退社やサンダー・ピチャイ氏のCEO就任を経て、広告や収益を重視する方向に転換したとの指摘があります。
個人情報を収集しない検索エンジン
検索エンジンは簡単に移行でき、しかも個人情報収集の抑制に効果的です。
✏️ 他に Qwant や Mojeek なども存在しますが、日本語検索の精度が低いため国内利用では実用性に限界があります。 また、Startpageは Google検索の結果を匿名化して表示する仕組みですが、Googleの検索結果に依存するため、結果の質や多様性には制約があります。
動画で見る検索エンジンの変更方法
プライバシーを保護するウェブブラウザ
プライバシーを重視したウェブブラウザを利用することで、広告やトラッカーによる行動追跡を抑制し、個人情報の漏えいリスクを軽減できます。
プライバシー保護を重視したメールサービス
プライバシー保護を重視したメールサービスを利用することで、送受信内容の暗号化やログ非保存により、第三者による監視やトラッキングのリスクを大幅に抑えられます。
Gmailは無料で利便性の高いサービスですが、外部アプリのアクセスを許可した場合には、認可された開発者が Gmailメッセージにアクセスできます。2018年には実際にアプリ開発企業の従業員が数千件規模のメールを閲覧していた事例も報告されており、メール内容が第三者に扱われるリスクがあると指摘されています。
データが暗号化されるオンラインストレージサービス
エンドツーエンドで暗号化され、保存データも暗号化されるオンラインストレージを利用することで、サービス提供者を含む第三者からファイル内容を保護できます。
Googleドライブは利便性の高いクラウドストレージですが、利用状況やファイル属性はGoogleに収集され、アカウントプロファイルの一部として広告やサービス運営に利用される可能性があります。また、ファイルはウイルス検出や不正利用防止のため自動的にスキャンされるほか、過去には「違法コンテンツ検出のためにファイルが確認される」ケースも報告されており、完全にプライベートとは言えません。
プライバシー保護を重視したその他のサービス
カレンダー・メモ・マップ・写真共有・ビデオ会議など、その他にも多く Googleサービスが提供されていますが、プライバシーを重視した代替手段は存在します。
カレンダー
メモ
マップ
マップアプリは他のツールと比較して、Googleマップや Yahoo!マップほどの精度や利便性はありません。
特にルート検索や交通情報の精度は地域によって差があり、ナビゲーション用途としては限定的です。
ギャラリー/ 写真共有
ビデオ会議
ドキュメント
De-Google OSの導入
前項で紹介したアプリをiOSデバイスで利用するだけでもGoogle依存を大幅に減らせます。ただし、Androidはオープンソースで開発されているOSのため、AOSP(Android Open Source Project)をベースにGoogleを排除した「De-Google OS」も開発されています。
De-Google OSは Google Pixelなどグローバルモデルの Android端末で動作しますが、ブートローダーのロック解除やROMのフラッシュが必要です。そのためキャリアやメーカーの保証対象外となり、インストールに失敗すると起動不能(いわゆる文鎮化)になるリスクもあります。
備考
Googleの便利なサービスは無料で利用できますが、厳密には無償ではありません。ユーザーは代金を支払う代わりに個人情報を提供しており、利用するサービスが多いほど収集される情報が統合され、プロファイルの精度と価値が高まります。そのため、個人情報収集の潜在的なリスクを低減するには、アカウントに関連付けるサービスを減らすしかなく、利便性とのトレードオフになります。
De-Google環境を構築するには、メール・カレンダー・クラウドストレージ・VPNなどを提供している Protonの導入が現実的な選択肢の一つですが、無償利用には制限があるため、アプリの利用頻度や必要な容量を確認してください。
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